「あの・・・ヤムチャさん。ありがとうございました・・・。」

「いやー、危ないところだったよ・・・。ちょうど通りかかってよかったぜ。」

そう言って息を吐くヤムチャに

「はい・・・。本当にありがとうございます・・・。」

メディカはじんわり痛む手首と、胸に残る不快感を抱えながら眉を寄せ苦笑いするのだった。

「さっきの奴はメディカちゃんの知り合いなのか？」

「いえ・・・！友達の知り合いで・・・。初めて会った人なんですけど・・・。」

「まったく・・・！何て奴だよ。初めて会った女の子にあんな事するなんて！！同じ男として許せないね、俺は。」

エアカーを運転しながら、そう言って怒るヤムチャの横顔をチラリと見ながら、もしヤムチャに助けられてなければ自分は今どうなってたのだろうかと思うと寒くなった。

あの力に抵抗する術を持ち合わせていない自分は、あのままあの男と夜を過ごすことになっていたかもしれないと思うと、途端にトランクスのあの優しく微笑む青い瞳を思い出し、胸が痛んだ。

以前、今日の様にトランクスに手首を掴まれたことがあったが、全く不快感などは感じず、むしろときめきを感じてしまったのは、あの時にはもうすでに彼に恋をしてしまっていたからなのだろうかと、あの夜のことを懐かしく思っていると

「まぁ、あの男の気持ちも分からないでもないけどな。メディカちゃんみたいなカワイイ子なら、俺も連れて帰りたくなるもんな。」

そんな冗談か本気か分からない台詞を言われ、メディカはヤムチャの横顔をただ見つめるのだった。