（何だ・・・この幸福感は・・・！？）

隣でリズムよく野菜を切るメディカの姿に、トランクスは今まで味わったことの無い幸福感に包まれていた。

想いを寄せる彼女のエプロン姿に、将来を勝手に妄想してしまうのは自分だけでなく男なら誰しも同じだろう。

家庭的な雰囲気を纏うメディカの姿に（結婚したら休日はこんなふうに・・・）と、甘い妄想を膨らませトランクスが頬を緩めていると

「あ、お米の次はレタスときゅうりも洗ってもらっていいですか？」

そう言って向けられる笑顔に

「は、はい！」

と返事をすると、トランクスは目の前に置かれた野菜へと手を伸ばすのだった。




子供の頃からいつもコックの作る料理ばかりで、それはもちろん美味しいのだが、やはり家庭の味とは何か違っていた。

母ブルマが料理を作ることなどほとんどなく、作っても本当に簡単な物かバーベキューソースぐらいで、子供の頃は毎日母の手料理が食べれる悟天を羨ましく思ったものだ。

母が仕事と研究で忙しいので仕方のないことだと分かってはいるが、それでも手作り料理に憧れていたのは確かで、まさか今日、想いを寄せる彼女の手料理にありつけるなど思いもせず、同じキッチンに立ちながらトランクスの胸の中は温かいもので満たされるのだった。

そんな事を思いながらメディカをじっと見つめていると、それに気付いたメディカにふと不思議そうな顔を向けられ

「あっ、その・・・！メディカさんの手際がいいなと思って・・・！」

慌てて答えると、メディカはふと笑みを零した。