「ありがとうございます。またごちそうして頂いて・・・。」

申し訳なさそうな顔を向けるメディカに

「いいですよ。気にしないで下さい。それより、食べましょうか。」

トランクスはにこりと微笑むとトレイに載るコーヒーへと手を伸ばした。

１５店舗の中から、迷いながらも２人が選んだのは世界中に店舗のある有名ハンバーガー店で、主に若者からファミリー層に支持されている店だった。

人気のその店は、行列が出来ているものの回転が早いためあまり待たされることもなく、子供の心を掴むオマケ付きのメニューがあることもあり、子供連れの客層はこの店を選ぶ者が多かった。

そんな店のバーガーを、フードコートを囲む様に広がる大きな窓に沿って造られた白いカウンター席に座り食べていたメディカは、モヤっとした思いを抱えていた。

支払いは当然別だと考えていたのに、トランクスがさらっと会計を一緒に済ませてしまったことがその原因で、そんなに高い物ではないとはいえ、いつもトランクスにごちそうになっていることが、ただただ申し訳なく、気持ちはすっきりしなかった。

一方トランクスは、そんなメディカの心中など気付く筈もなく、２人だけのこの時間を堪能していた。

カウンター席には主にカップルが多く座っており、周りから見れば自分たちもそういう関係に見られているのだろうかと思うと胸が弾んだ。

メディカが自分の話しに相槌を打ち、笑顔を見せてくれる度に、彼女を想う気持ちがますます膨らみ、また彼女の話す声を聞けば安心し心は癒された。