カプセルコーポで暮らし始めてからというもの、あまりにも信じ難い事実や体験を目の当たりにし、自分の中の何かが崩れていったのは間違いなかった。

しかし、好奇心を満たし探究心をくすぐる出来事に、胸の内からわくわくする気持ちが湧いてきたのは確かで、そんな自分に複雑な感情を抱いていると

「綺麗な街ですよね。都と違って自然も多いですし。」

そう言ったトランクスの声に

「そうですね。お店もたくさんあるみたいですし、住み心地が良さそうです。」

街の大通りに面して建ち並ぶ店舗を見つめながら答えると

「メディカさんは、ジンジャータウンは初めてなんですよね？こっちに車を走らせてよかったです。」

と、明るい声がした。

「・・・私、地元の町と西の都くらいしか知らなくて・・・。パオズ山もそうでしたけど、トランクスさんには初めての場所にばかり連れて行ってもらって・・・嬉しいです。本当にありがとうございます。」

「いや、そんな・・・！俺もメディカさんと出掛けることが出来て嬉しいですし。」

と、返された言葉にドキっとした。

女の子を喜ばせる台詞をさらっと言えるトランクスにまた茶化されてるのかなと思いつつも、やはり嬉しい気持ちが込み上げてくるのは確かで、それを必死で隠しながら

「ありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいです。」

と、メディカは素直な気持ちを言葉にするのだった。

そしてトランクスは、隣ではにかんでいるメディカに気付くと、やっと自分が本音を言ってしまったことに気付き、全身を熱くさせるのだった。