そして、隣で微笑んでいるメディカに何とも言えない感情が溢れてきて、その感情を必死に抑えていると口の中が乾く感じがした。

いまの発言はどういう気持ちから出たのだろうか。自分のことをどう思ってくれているのだろうか・・・。そんなメディカの自分に対する感情を推し量っていると

「ブルマさんたち、いまどの辺りでしょう？」

と、空を見つめるメディカの声で意識を引き戻された。

「そ、そうですね・・・。南の都まではあと１時間くらいだと思うので、まだ海の上じゃないかな。」

「１時間ならもうすぐ着きますね。ブラちゃん、楽しみでしょうね。海、楽しんできて欲しいな。」

「ええ、今回は父さんも一緒ですしね。」

「ベジータさんは、いつも一緒に行かれないんですか？」

「そうですね。ああいう父ですから・・・。いつもはトレーニング優先で一緒に旅行というのは・・・。」

出発前の父の顔を思い出し、苦笑いしていると

「じゃあ、今回はベジータさんも一緒だからますます楽しい旅行になりますね！」

「父さんにも楽しんで来て欲しいな。」

笑う様に言うと

「ふふっ！ホントですね。ベジータさんにも楽しんで来て欲しいです。せっかくトレーニングを休まれたんですから。でも、やっぱりブラちゃんのことが心配なんでしょうね。今回に限って一緒に行くなんて。」

そう言って、小さく笑うメディカにギクリとした。

全ては母の画策だなど正直に言えるわけもなく

「はは・・・そうですね・・・。」

と、トランクスは渇いた笑いを浮かべるのだった。