そう意地悪く微笑むメディカに

「えっ？！」

と、トランクスはたじろいだ。

「ふふっ。悟天君から聞いたんです。トランクスさんはよく仕事中に窓から逃げ出して、秘書の方を困らせてるって。」

隣りから聞こえるメディカの可笑しそうに笑う声に

（悟天の奴・・・！）

と、ハンドルを握る手に力が入った。

返す言葉もなく、バツの悪い顔をしていると

「でも、トランクスさんは責任あるお仕事をされてますし、お忙しいですもん。逃げ出したくもなるかなって・・・。だから、たまになら逃げ出してもいいと思います。いい仕事をするには、気分転換も必要ですし・・・って、こんなこと言ったら秘書の方に怒られちゃいますね・・・。」

そう困った様な笑顔が視界の端に映り、トランクスのハンドルを握る手から少し力が抜けた。

自分のダメなところを知っても、それを庇って許してくれる彼女にまた救われ、そんな優しさを向けてくれるメディカにまた惹かれてしまう。

「・・・カッコ悪いですよね。社長が仕事中に逃げ出すなんて・・・。みんな会社の為に働いてるのに。」

自分の非は認め反省しつつも、きっとまた逃げ出してしまうだろう自分を思っていると

「そうですね。社長が仕事をさぼってるって知ったら、イメージはよくないかもしれませんね。」

その言葉にズキッとダメージを受けたのだが

「でも、働いている方たちのことをトランクスさんはちゃんと大切に思ってるし、皆さんから頼りにされてるってブルマさんから聞きました。だから、少しくらい逃げ出しても、皆さんきっと許してくれますよ！」