姿見に映る自分を見つめながら

「・・・大丈夫だよね？変じゃない？？」

と、ぶつぶつ独り言を言いながら、クルっと前後を確認してみる。

紺色のスカートが揺れるのを見てから、塗ったばかりの黄色いペディキュアに視線を落とし、そして次には鏡に近付き

「メイク大丈夫かな？濃くないよね・・・。髪も・・・あぁ、前髪伸びてきたなぁ。切らないと・・・。」

嬉しくて逸る気持ちを誤魔化す様に、独り言を繰り返しながら、まじまじと鏡に映る自分を見つめる。

まさかトランクスに食事に誘われるなど想像も想定もしておらず、嬉しさのあまり気合いが入り過ぎてないかチェックしつつも、普段より頑張ってる感が出てるかも同時に確認する。

「デートなんて久しぶりだから、緊張するな・・・。」

と、口にしてから

（・・・ん？これって、デート？）

疑問が生じた。

思えば使用人もコックもおらず、１人なら適当にデリバリーでも注文するところだが、同居人がいる手前それも出来ず、仕方なく外にでも食べに行くか・・・的なことだったら・・・。と、思うと突然虚しくなった。

「・・・トランクスさんに悪いことしたな・・・。気を利かせて１人で出掛けたらよかった・・・。」

そう思い出したら罪悪感の様なものに一気に支配され、浮かれていた気持ちは見事に沈んでいく。

「何か・・・本当にトランクスさんに申し訳ないんだけど・・・。何でこんな日に限って当直じゃないんだろ・・・。」

そう呟くメディカは、まさかブルマが敢えて今日という日を選んだことなど知る筈もなく、憂鬱な気分を抱えベッドに座り込むのだった。