「あ、あぁ・・・。楽しんでくるんだぞ、ブラ。それにしても・・・今日は父さんも一緒なんて珍しいね。」

きっとブラにごねられたのだろうなと思い、苦笑いすると

「フン。家にいると邪魔らしくてな。」

そう言った父ベジータの責める様な視線に、トランクスはギクリと顔を引き攣らせた。

「ふふ。ブラたちは３人で楽しんで来るから、お兄ちゃんも２人でゆっくり楽しんでね！」

意味深な言葉と笑顔を見せる妹にますます顔を引き攣らせていると

「あ、よかった・・・！間に合って・・・。」

急いで来たのだろう、メディカが少し息を切らしながら現れた。

「お姉ちゃんも見送りに来てくれたの！ありがとう。」

「うん。ブラちゃん、楽しんで来てね！」

「もちろん！お土産もたくさん買って来るわね！」

そう言いながら、べジータと共に飛行機に乗り込むブラに

「ありがとう。楽しみにしてるね！」

微笑んで手を振るメディカと、その姿を横目で見ていたトランクスに

「それじゃ、行って来るから。２人とも、留守番よろしくね！」

ブルマはパチリとウインクすると操縦席に乗り込み、２人に向かって手を振るのだった。

エンジンがかかった飛行機のハッチが〝ウィィィン〝と自動でゆっくり閉じると同時に、研究室の大きなドーム型の屋根は開いていく。

朝からの銀色の細い糸から、雫の様に変わった雨が入り込むのと、エンジン噴射の圧、外からの生ぬるい空気が混ざり合った空間で、トランクスとメディカは体を煽られながら、空へと向かい飛び立って行くクリーム色の機体を見送るのだった。