いつもと変わらない笑顔を向けるメディカからは、昨夜のピリピリした雰囲気は全く感じず、自分の気のせいだったのかと密かに首を傾げる。

自然と並んで歩く形となり、一緒にリビングへと向かう彼女からは相変わらず優しい香りと柔らかい雰囲気しか漂ってこず、リビングに着く頃には、昨夜のことは自分の気のせいだったのかもしれない・・・。と彼女の話しに相槌を打ちながら安堵するのだった。

「おはよう。」
「おはようございます。」

２人がリビングに入ると

「おはよう！」

と、何やらとてもご機嫌な母ブルマの笑顔に、トランクスは嫌な予感がした。

いつも以上に身のこなしも軽く、やたらニコニコしているその姿に恐ろしさを感じる・・・。

研究がうまくいったとか、製作物が完成した時とは違うその機嫌の良さに、席に着くと

「・・・母さん、何かあったの？」

と、躊躇いつつ尋ねてみた。

すると、ブルマは食器を並べながら

「ふふっ！分かるー？」

そうニンマリとした顔を並んで座る２人に向けると

「実はね・・・。ずーっとキャンセル待ちしてたパパイヤ島のホテルのスイートルームがやっと取れたのよ！！」

そう嬉しそうな声を上げ

「でね。急なんだけど、今日から３日間私とベジータとブラの３人で南の都に行って来るから！」

そうニコニコ・・・いやニマニマとした笑顔で続けられた言葉の意味を理解するのに、数秒はかかった。

「えっ・・・！？ちょ、ちょっと母さん！！？」

うろたえる様な声を出すトランクスに

「だから、悪いんだけど２人は留守番よろしくね！」

と、ブルマはにっこりと笑顔を深めた。