「雨か・・・。」

着替えを終え窓の外を眺めながら、久しぶりに見る雨に胸が疼いた。

「メディカさん、怒ってたよな・・・。」

笑顔ながらも、メディカから発せられる気がピリピリしていたことを思い出すと、当直明けの疲れた体で帰りを待っていた彼女の元に、仕事とはいえアルコールが入った状態で行ったことを申し訳なかったと思い

（・・・もう一度謝った方がいいな・・・。）

と、トランクスはメディカの機嫌を損ねた理由を勘違いしつつ、部屋を出るとリビングへと向かうのだった。

向かいながら、今日は彼女も休みだったなと胸の内で呟くも、いつもなら嬉しくてたまらない筈が、昨夜のことを思うとメディカと顔を合わせるのが気まずく、足取りは重くなる。

そんな憂鬱な気分で進んでいると、廊下でばったりメディカと出会ってしまい、ビクリと正直に反応してしまった。

声も出せずにいると

「おはようございます。」

そういつもの柔らかい笑顔で挨拶をしてきたメディカに拍子抜けしてしまい

「お・・・おはようございます・・・。」

と、何とも張りのない声を出すと

「・・・どうかされました？」

不思議そうに小首を傾げ尋ねてきたメディカに

「えっ！？いや・・・！その・・・。きょ、今日は雨なのが残念だなと思いまして・・・。」

と、無理やり笑顔を浮かべると

「ホント。お休みなのに雨だと、少し残念ですよね。」

そう眉を寄せ微笑みを浮かべるメディカに、トランクスは肩透かしを食らった気がした。