「治りましたよ。」

そう言ってかざしていた手を戻すと

「ありがとな、デンデ！」
「ありがとうございます。」

デンデに礼を言う悟空とウーブの体からは、先程までの傷が嘘の様に綺麗に消えていた。

メディカはその奇跡というべき力を目の当たりにし愕然としながら

「・・・神様って、本当だったんですね・・・。」

呟く様に言うと、その神の力に到底及ばない人間の、自身の医師としての無力さを突きつけられショックを受けるのだった。

すると

「デンデが出来るのは傷を治すことだけだ。病を治すことは出来ん。それはお前たち医者の仕事だ。」

と言う声がし、そちらの方を向くと、ピッコロという悟飯の師匠だと教えられた人物が腕を組み立っていた。

心の中を見透かされたのかと思い、その発言にビクリとしていると

「ええ、その通りです。私は病気を治す事は出来ません。ですから、メディカさんたち医者の皆さんが、病気で苦しんでいる人たちを治してあげて下さい。」

そうデンデに穏やかな顔で微笑まれ

「は、はい！」

と、メディカは慌てて返事をするのだった。

「それにしても、孫。お前の様な奴が医者が苦手とはな。」

「えっ！？いやぁ、オラどうもダメなんだよなぁ・・・。」

「フフッ。その娘はお前にとって天敵と言ってもいいかもしれんな。」

ピッコロが愉快そうにニヤリと笑うと、悟空は困った様に頭を掻きながらチラリとメディカを見て

「うーん、そうかもしんねぇ・・・。」

そう言って苦笑いを浮かべるのだった。