「あーっ！リーチ懸かってるのに、なかなか出ないなぁ・・・。」

「クリリン惜しいなー。俺は狙ってたエアカーも当てたし、それにＷリーチも懸かってるから、もしかしたらドラゴンボールも俺が頂いちゃうことになるかもしれないぜ。」

「ママ、私もリーチになったわ！もし、私がドラゴンボールを貰ったら、ママが願い事１つしていいからね！」

「ありがとう、マーロン。でも、ママもトリプルリーチが懸かっててね。ママがドラゴンボールを獲ったら、１つだけマーロンが願い事していいよ。」

と、ビンゴ大会も終盤に差し掛かり、賞品を既に当てた者、まだ何も手にしてない者に別れ、仲間たちは一層ざわつきを見せていた。

そんな中、トランクスは１人沈んでいた。

「ペア温泉宿泊券がいいかな。」

そうメディカが言った後

「やっぱり、お姉ちゃんそういう人がいたんだ。」

「ねぇねぇ、メディカ先生！温泉、誰と行くの？！」

「メディカお姉ちゃん、ボーイフレンドがいたんだー！！ねぇ、どんな人なのー？！」

と、３人の少女たちから興味津々といった目で迫られ

「ふふ。それは秘密！」

と、悪戯っぽく笑いながら言った彼女の姿に、一瞬にして暗い穴に引きずり込まれた。

（そういう相手がいたのか・・・。）

愕然とした思いで離れた場所から彼女を見つめながら、自分は彼女の事をどれだけ知り、また彼女はどこまで話してくれているのだろうかと寂しく思いながら、項垂れていると

「はい、トランクス。飲み物置いとくよ。」

と、ニコニコと笑顔の悟天が、グラスをトランクスの前にスッと差し出した。