「メディカちゃん、帰って来ておったのか。」

振り返ると武天老師と呼ばれるあの老人がすぐ後ろに来ており、思わずビクリと肩を震わせた。
が、意を決し

「はい。ただいま帰りました！武天老子様、今日もお元気そうですね。」

そう言って亀仙人の両手をギュッと握り、にこりと微笑むと

「ひょっ！いやいや、わしゃいつでも元気じゃよ。」

と、メディカの思わぬ行動に亀仙人は頬を染めている。

そして、その行動に驚いたのは亀仙人だけでなく周りの仲間たちもだった。

これまで、このスケベな老人に対して女性たちは常に冷ややかな対応を心掛けてきたが、これ程優しい対応を見せた女性はあのランチ（変身前）以外に他にいただろうか・・・。

「へぇ。先に両手を塞ぐとは考えたね。」

そう呟いたのは１８号だった。

「そうか、先手を打ったのか！手を握ることに抵抗はあるだろうけど、あれで被害は最小限で済むな。」

「やるだな、メディカさ・・・！オラ、自分から武天老師様に触ろうなんて考えたこともなかっただよ。」

クリリンとチチ、そして他の仲間たちもメディカのこの意表を着いた対応に唸るのだった。

しかし、手を握られたことでいい気になったらしい老人は、握られていた手をパッと離すと、

「いやー、しかしのメディカちゃん。わしゃ、もっと元気になりたいんでな、ちーっとでいいからパフパフを・・・」

と、やらしい手を自分の顔近くで繰り返していたところに

「武天老師様！」

と、刺す様な声が聞こえ、亀仙人は続く言葉を飲み込んだのだった。