「やっぱりカワイイな、メディカちゃん！」

「ボーイフレンドがいないなんて、もったいないよなぁ。トランクスが相手じゃなかったら速攻アタックするのに。」

そう言うと、ジロッとトランクスに目を向けられ

「ま、勝ち目の無い勝負はしないから。」

安心させる様にポンポンとトランクスの肩を叩くと、悟天は女性陣の集まる方へ歩いて行ったのだった。

離れて行く悟天の後ろ姿に疑問符を浮かべながら、視線をメディカへと移すと談笑している彼女の姿が目に映る。

パオズ山に行ったこともあり、チチやビーデルと打ち解けた様で以前より馴染んでいる姿に微笑み、こうして彼女を離れて見ているだけでも満足な自分は本当に欲がないなと思った。

しかし、ただ逃げているだけの様な気もした。

あの夜、彼女には「仲間」だと言った。

もしあの時、彼女に「好きだ」と告げていればどうなっていたのだろうか・・・。

返答しだいでは、いまこの場所には彼女はいなかったかもしれない。

さっき悟天も言ったことだが、振られていたらお互い気まずくてパーティ・・・いや同居どころではないだろう。

現在のこの状況を打破したいと思う一方で、やっと築き始めた関係が自分の行動一つで脆くも崩れ去ってしまうのではないかと思うと、トランクスは怖気づいてしまうのだった。

「もうすぐビンゴ大会が始まるな。」

ヤムチャの声で、１人巡らしていた想いを止めると

「そうですね・・・。武天老師様も動き出しましたし、行きましょうか・・・。」

そう言うと、２人して仲間が集まるステージ前へと向かうのだった。