「それじゃあ、行って来ます。」

トランクスがリビングに顔を覗かせると

「いってらっしゃーい。」

と言う、母とブラに送り出され玄関へと向かった。

向かいながら、その表情は自然と曇っていく。

メディカの予定を書くことになっているホワイトボードには、今日は「休日」と書かれていた。

休みとはいえ、いつも気を遣ってだろう。早く起きて来て一緒に朝食をとり、笑顔で送り出してくれる彼女は、今日はまだ起きて来る気配もなかった。

（もしかして・・・避けられてる・・・？）

そう思い、かなりへこみながらトランクスはのろのろと長い廊下を進んでいた。

タイミングが良いのか悪いのか、今日から１泊で北の都へ出張となっている。

後ろ髪を引かれながらも、メディカと顔を合わせずに済むことにホッとし、胸を撫で下ろすトランクスだった。



カーテンから差し込む光の強さに、メディカは慌てて飛び起きた。

枕元の携帯電話を見ると、ディスプレイには１０：１１と表示されている。

「ふわぁぁ、寝坊したっ！！」

メディカは慌ててベッドから下りると、身支度を整え始めた。

着替えを終えカーテンを開けると、夏の眩しい光が部屋に満たされていく。

今日も相変わらず太陽の光は強く、窓の外はギラギラと白んで見える。

そんな光から顔を逸らすと、そのまま部屋を出てリビングへと向かった。

「おはようございます・・・。」

と、入ったリビングには誰もおらず、メディカは１人苦笑いを浮かべながら、自分の分であろう朝食が用意されたテーブルへと向かうのだった。