一方メディカも、昨夜トランクスと話しをしたことで自分が抱えていたモノが誤解だったことが分かり、スッキリとした気持ちで朝を迎えることが出来た。

満天の星空の下、いつもの様に優しさの中にも少し憂いを帯びた表情で自分を見つめていたトランクスを思い出すと、彼もまた不安を抱えていたのかと思い可笑しくなる。

お互いの気持ちの僅かなすれ違いから、自分があんなに大きな不安を抱えることになるとは思いもよらず、昨夜パンとブラが眠る部屋に戻ると布団の中で苦笑した。

それはきっと、自分がトランクスに対して恋という特別な感情を抱いているからだと認めざるを得ず、そう思うと急に意識してしまい、朝から胸の高鳴りを隠すのに必死になるのだった。

トランクスが自分の手が届くような存在でないことはよく分かっている。

何と言っても、あのカプセルコーポレーションの社長であり、性格から容姿まで何から何まであのパーフェクトさなのだ。

だが、例え独りよがりだとしても、自分のこの気持ちは確かなものなのだから今は久しぶりに訪れたこの恋を楽しもう・・・。

メディカはそう思いながら、朝食が並べられた席へと腰を下ろした。

そして、認めてしまった恋心に清々すると、心を遮るモノが無くなった今、チチやビーデルから聞いた俄かに信じ難い話しもやっと自分の中に収めることが出来たのだった。

朝からでも相変わらず食欲旺盛なサイヤ人という異星の血を引いた男２人は、次から次へと料理に手を伸ばしている。

その光景にメディカは１人微笑むと「いただきます！」と、自身もテーブルの料理へと箸を伸ばすのだった。