「さあ、出来たべ！」

そう言ってチチが、畑で採れたばかりの艶やかで大きなトマトやナス、見事に育ったきゅうりなどをふんだんに使ったサラダやスープ、豪快な肉の煮込みや炒飯など、朝からパンチの効いた料理をテーブルへと並べて行く。

それを見ながら

「採れたてのお野菜が食べられるなんて嬉しいです。」

と食器を並べるメディカに

「メディカさも手伝ってくれたべ、いっぺぇ食べるだぞ！」

「あ、ありがとうございます・・・。」

と、若干苦笑い気味に答えるメディカを、トランクスは顔を緩ませ見つめていた。

昨夜、メディカが１人で外にいる事に気付くと、悟天が寝てるのを確認し急いで外へと出た。

どうしてもメディカと２人きりで話しがしたかった。

自分ではかなり勇気を出した行動の結果、何とか彼女に与えていた誤解が解けたのは確かな様で、昨日は向けられることがなかった笑顔が今日は自分にも向けられていることに胸を撫で下ろす。

普通の人間とは違っていることを誤解の発端の様に話したが、彼女は疑いもせず納得した様だ。

もちろんそれも危惧していたが、まさか悟天への嫉妬から誤解を招いたことなど言える筈もなく、ちょうどいい口実を作ってくれたチチとビーデルに密かに感謝する。

そして、そんな信じ難い話しを彼女が恐れる事なく受け入れたのも、きっとチチとビーデルのおかげだろう。

そう思うと、メディカをこのパオズ山へ行く様に仕向けたのは、母の全て計算だったのではないかという考えが頭を過ぎり、トランクスは苦笑いを浮かべるのだった。