メディカの枕元に置かれた携帯電話が鳴ったのは、午前２時頃だった。

意識がまだはっきりとしないうちに出た電話だったが、聞こえてきた内容に頭はすぐに覚醒した。

電話を切りベッドから飛び起きると、服を着替え鞄を掴み部屋を飛び出した。

深夜の皆が寝静まる中、メディカはエアバイクに跨るとアクセルを上げ、勤務先である西の都の病院へと向かったのだった。




「ええ。・・・気にしないで。それより仕事頑張ってね。あ、でも無理しちゃダメよ。うん、じゃあね。」

ちょうど皆で朝食をとっている時にかかってきた電話はメディカからだった。

「ママ、お姉ちゃんから？」

「そうよ。夜中に呼び出しがあったみたい。何も言わずに出てゴメンナサイって・・・。ホント、医者って大変ね・・・。」

マグカップを持ち上げながら、ブルマはチラリとキャビネットの上のホワイトボードに目を向けた。

そこには、メディカの字で「当直」と書かれている。

「何だぁ、メディカちゃん仕事行っちゃったのかぁ。もっと話したかったのになー・・・。」

残念そうな悟天に

「メディカ先生は、悟天おじさんみたいに暇じゃないのよ！」

澄ました顔でトーストにかじりつくパンを、悟天は「うるさいぞ！」と、睨むのだった。

そんなやり取りを横で聞きながら、メディカのことがやけに気になり、トランクスは妙な胸騒ぎを覚えるのだった。