ブルマはテーブルの上の食器を片付けながら

「あ、そうそう。私、明日から３日間東の都に行って来るから留守をお願いね」

　と、座っている２人の顔を見た。

「えっと、講演会だっけ？」

　トランクスが思い出す様に視線を上に向けると

「そう。学生対象の講演会。月曜には帰って来るから」

　そう言いながら、ブルマはワゴンに食器を載せると

「ブラが明日から夏休みに入るから、食事の方はコックに頼んであるし、掃除や洗い物はメイドロボがしてくれるから。メディカちゃんは気を遣わないでね！」

　さっぱりとした笑顔を向けられ

「は、はい」

　と、メディカは食器を重ねる手が鈍くなった。

　そのブルマの笑顔に、同性ながらも見惚れてしまう。

　年齢不詳のその若さとスタイルに加え、竹を割った様な性格、そして天才科学者という知性がブルマの魅力をより一層引き立てているのは間違いなかった。

　メディカがブルマに警戒心だけでなく、憧れを抱く様になるには時間は掛からず、ブルマの様な女性と親しくなれたことを嬉しく思わずにはいられなかった。

「メディカさんは、明日は当直じゃないんですね」

　テーブルの上を片付けているトランクスにふいに尋ねられ、我に返ると

「あ、はい！　帰りは何時になるか分からないですけど……」

　患者の容体の急変などで、帰りが深夜になる時もある。

　そのメディカの返答に、ソファから

「えーっ！　明日もお姉ちゃんとゆっくりお話し出来ないの！？」

　と、不満の声があがった。