買い物に夢中になるあまり、食事の事などすっかり忘れていた。済ませていればブルマに余計な手間を掛けさせずに済んだのに……。
　
　メディカは自分の気の利かなさに、一瞬にして自己嫌悪に陥った。

　目の前の曖昧な表情の２人を見て

「なによ。２人で食事して来たんじゃないの？」

　ブルマは並んだ２人を交互に見た。

「う、うん」

　と、トランクスは少々引き攣った顔で答えると

「そう……。じゃあ、用意するからその間に着替えてらっしゃい」

　言い終えると、ブルマは溜め息を吐いた。

「すみません……。ブルマさん……」

　メディカの沈んだ声に

「あぁ、いいのよ。用意はしてあるから。気にしないで」

　ブルマは、ニッコリと笑いかけると腰に手を当て２人を見るのだった。

「はい、お願いします……。あの、トランクスさん。ありがとうございました」

　メディカは隣に立つトランクスに礼を言うと、キャリーバッグを持ちリビングを出て行ったのだった。

　するとすぐに

「ちょっと。トランクス！」

　と、ブルマは目の前に立つ息子を見据えた。

「あんた、先生と一緒だったなら、何で食事に誘ったりしないわけ！？」

　きた――。

　予感はしていたが、やはりきた。

「いや……会ったのも、すぐそこだったし……。先生は当直明けだしさ……」

　しどろもどろになりながら答える息子を、ブルマは睨む様に見つめるのだった。