「お兄ちゃんなら絶対賛成してくれると思ったわ！」

　ブラがメディカに笑顔を向けると、メディカは困った様な曖昧な笑顔を浮かべた。

　元患者であるブラや、その家族と親しくなり過ぎるのはどうかという思いが拭えず、メディカはブルマ達の厚意に素直に甘えることが出来ないでいた。

　ブラは既に退院しているので問題はないのかもしれないが、医師と患者が親しくなることはあまり歓迎されない風潮にある。

　マンションからカプセルコーポへと戻る車内で、そのことを話したのだが

「ふぅーん。別にいいじゃない。お医者さんとしてじゃなくて、先生と仲良くしたいんだし！　それに、もうブラは元患者なんだから問題ないでしょ？」

　と、ブルマは笑顔で言い、メディカは同居を避ける口実を失ってしまった。

　べジータかトランクスが、文句の一つでも言ってくれていたら、逃れられたかもしれないが、我関せずといった態度のべジータには

「勝手にしろ」

　と言われ、たった今トランクスにも拒否されることなく、同居話しをすんなりと認められてしまった。

　メディカは、ブルマに「個人的に仲良くしたい」と言われた嬉しさと、元担当医という後ろめたさとの複雑な思いを抱えながら、新しい住まいが見つかるまでは、とりあえずカプセルコーポに身を置くしかないと諦めるのだった。