「メディカ先生！先生！！」

ブルマの声でハッとするメディカを、担当者は申し訳なさそうに見つめている。

ブルマはメディカの顔を覗き込み

「大丈夫？なわけないわよね・・・。それより、先生。新しい部屋みつかるまでどうするの？行く当てあるの？ほら、彼氏の家とか？」

と、尋ねてきた。

「へ・・・？あぁ・・・ない、ですけど。」

と、思考がやっと動き出したメディカは、予想出来る展開を読む余裕など全くなく、何も考えず、そう答えると

「じゃあ決まりね！新しい部屋が決まるまでウチに来るといいわ！」

満面の笑みを浮かべたブルマに、メディカはまた固まった。が、すぐに

「い、いや！でも、ご迷惑ですし！！それは出来ません！！」

頭と両手をブンブンと振って、必死に断ろうとするも

「迷惑だなんて思わないわよー！むしろ大歓迎なんだから！！」

先程の険しい顔から一転、明るい笑顔を向けるブルマに後退りしそうになる。

こうなると抗うことは難しい。メディカはここ数日で経験済みだった。しかし、これ以上迷惑はかけられない。次の言葉を言おうとした時だった

「そうよ、ウチに来て先生！」

と、母親同様満面の笑みのブラと

「よかったですね！行く当てが無く、お困りの方がほとんどだったので。お知り合いがおられて何よりです！」

心から安心した様な笑顔を見せる担当者の、まさかのブルマ援護発言に、メディカは抗おうと言いかけた言葉を仕方なく飲み込んだのだった。