メディカは家の中を一通り確認した。
バスルームやトイレなどは天井や壁に水染みが出来ているくらいで、臭いもあまり気にならず、何とかなりそうだ。

だが、居住スペースは今すぐ住めるような状態ではなく、収納スペースやタンスの中まで消火剤の臭いが入り込み、被害を出している。

メディカの肩を落とす姿に、ブルマもブラも励ましの言葉を探したが見つからず、目配せをした時だった。

「すみません！」

と、玄関から男性の声がした。

３人は顔を見合わせてから玄関を覗くと、若いスーツ姿の男性が立っている。

「こちらにお住まいのメディカ様でしょうか？」

ハキハキとした口調で問われ

「は、はい！」

と、返事をすると、メディカは慌てて玄関へと向かった。

「こちらにお住まいのメディカ様で間違いないでしょうか？」

「は、はい。そうです。えっと・・・？」

メディカが疑問符を浮かべていると

「あ、私こちらのマンションの管理会社の者で、先日お電話でお話しさせて頂いた者です。」

そう言うと、男性はスッと名刺を差し出した。

メディカは「あぁ！」と思い出した様に声を出すと、それを受け取り

「先日は本当に申し訳ありません！着信に気付かなくて・・・。」

と、申し訳なさそうに眉を寄せ、頭を下げた。

「いえ、ご無事で安心しました。」

その爽やかな笑顔を見ると、メディカはますます申し訳なく思い

「すみません。」と、再び謝罪の言葉を口にするのだった。