凛々しいイメージしかなかったトランクスが、母親と妹２人に詰られている姿に、メディカは思わず吹き出してしまった。
やはりこの２人にはトランクスも敵わないらしい。

「ホントに大丈夫ですから。気にしないで下さい。」

「いや・・・。本当にすみません。」

恥ずかしさと自己嫌悪とが混ざった複雑な表情を隠せないまま、トランクスはメディカに頭を下げた。

「ごめんなさいね、先生。この子、誰に似たのか人の気持ちってものに鈍くて。」

ブルマは横目で隣のべジータをチラリと見た

その視線に気付いたべジータは

「おい。誰とは、俺のことじゃないだろうな。」

と、フォークを握り締め、ブルマを睨みつけた。

「他に誰がいるのよ。」

「何だと！これでも俺はな・・・！」

ブルマの言葉にガバッと立ち上がり食って掛かりそうなべジータを

「パパ！先生の前で止めてよね！みっともない！！」

と、ブラが一喝するとピタリとべジータは固まり、そしてそのまま静かに席に着いたのだった。

その様子にメディカはこの一家の力関係がはっきりと分かってしまい、更に笑いが込み上げてきた。

斜め前に座るべジータは、バツが悪そうにメディカを睨んでいる。が、メディカはその視線を気にもせず「ご家族、仲が良いんですね。」と言って、クスクスと笑うのだった。