入浴を終え身だしなみを整えると、一家が集まっているだろうリビングへ向かうことにした。

リビングに近づくにつれ濃くなるコーヒーの香ばしい香りがメディカの五感を刺激する。

「おはようございます・・・。すみません、遅くなってしまって。」

遠慮がちに声を掛け、中に入ると、ダイニングテーブルではカプセルコーポ一家が揃って朝食をとっていた。

「おはよう、先生！」
「おはよう。よく眠れた？」

ブラとブルマの元気な声に迎えられ

「はい、おかげさまで。」

と、答えるも、一家の朝の団欒に入るのが躊躇われ躊躇していると、ブラが「ココ、ココ！」と自身が座る隣の席を勧めてくれたので、メディカはその席に着くことにした。

座る前にもう一度

「おはようございます。」

と、挨拶をすると

「おはようございます。」

と、マグカップを持ったトランクスはニコリと返してくれた。が、べジータは視線をメディカに向けただけで、また朝食へと視線を戻すのだった。

「先生の朝食持って来るから待ってて。飲み物はコーヒーでいい？」

「あ、はい。すみません！」

このウチに来てから「すみません」を繰り返しているメディカに苦笑しながら、トランクスは横目でチラリとその横顔を窺った。

ゆっくり寝て疲れが取れたのだろう。顔色は昨日より数段良くなっているように見える。

そして・・・。
機嫌良くキッチンに入って行く母の後ろ姿に視線を移すと思わず笑みが零れた。

ブルマとブラ。この２人に気に入られたメディカを少々気の毒に思いながら、トランクスはコーヒーを啜るのだった。