「えっ？」

　その意味が分からず、メディカがきょとんとした顔を向けると

「母さんとブラが、今晩泊まるように無理強いしたんじゃないですか？」

　トランクスのこの問いに、メディカは思わず目を見開いた。その表情でトランクスは確信すると、深く溜息を吐き

「すみません……。母も妹も、かなり強引なところがあるので……」

　そう言って呆れる様に眉根を寄せるトランクスに、メディカは苦笑した。

「いえ。こちらこそ本当にすみません……甘えてしまって」

　苦笑いのまま礼を言うと

「ウチは大丈夫ですけど、先生の都合もあるでしょうから……。無理な事を言ってきた時は、はっきり断って下さいね」

　念を押すように言われたが、あの二人の強引さに逆うのはなかなか難しい気がした。一応「はい。」とは答えたものの自信はなかった。

「じゃあ、部屋に戻ります。先生もゆっくり休んで下さい。……おやすみなさい」

「ありがとうございます。……おやすみなさい」

　挨拶を交わすと、トランクスはリビングから出て行った。

　メディカはその背中を見送るとソファに戻り、付いたままのテレビへと目を向けるのだった。