テーブルに並べられた、たくさんの色鮮やかな料理にトランクスは目を見張った。

「まだあるんだけど、並べられないから、後で持って来るわ。とりあえずテーブルのを食べちゃって！」

　ブルマはそう言いながら、所狭しと料理を並べていく。

「ほんとにご馳走だな……。それじゃあ、いただきます」

　席に着いたトランクスはそう言うと、料理に手を伸ばし始めた。

　夜の食事は基本外で食べることが多く、大抵１人かどこかのお偉方との会食となっている。

　こうして、自宅で人の存在を感じながら夜の食事をとるのは久し振りであった。


「うーん、美味しい！」

「このお店のお菓子美味しいわよねー。特にこのマドレーヌが最高！」

「喜んでもらえて良かったです。私もこのお店のお菓子大好きなので。」

女性陣の楽しそうな会話を背中で聞きながら、トランクスは１人もくもくと食事を堪能していた。すると

「あ、そうだ！　トランクス、今晩もメディカ先生ウチに泊まることになったから」

　その声に振り返ると、食べかけのマドレーヌを持ったまま嬉しそうにこちらを見ている母が居る。

　トランクスは口の中の物を飲み込むと

「ゆっくりして行って下さい」

　と、そのままメディカを見るのだった。

「すみません……。お世話になります」

　ソファから立ち上がり、困った様な笑顔を浮かべ頭を下げる姿に、トランクスはまた苦笑いを浮かべた。

「いえ。気にしないで下さい」

　トランクスはそう答えると、テーブルに向き直り食事を再開させたのだった。