「メディカ先生。マンションの方はどう？　何か分かった？」

「あ、はい。今日、管理会社の方と電話で話したんですけど、一応そのまま住めそうです」

「そうなのー……」

　少しガッカリした様に漏らし

「実はね、先生さえよかったらウチに住まないかと思ったんだけど……」

　と、続けられたブルマの言葉に

「……へっ？」

　と、メディカあまりに予想外のことを言われ呆けてしまった。

「ママ、それすっごくいい考え！　―あー、でもそのまま住めるなら、先生は自分のおうちの方がいいわよね……」

　ブラは背もたれにもたれると溜息を吐いた。

「そうね。そりゃ、自分の家が一番落ち着くもの。で、部屋は見たの？」

「いえ。これからなんです」

「あら。それじゃあ、今から見に行きましょうよ！」

「えっ……？！」

　ブルマの目が何時になく生き生きして見える。好奇心が強いだろうことは薄々感じていたが、昨夜といい、彼女の好奇心は何に向けて発せられているのだろうか。

　彼女には縁がないであろうワンルームマンションという建物なのか、それとも滅多に遭遇することのない火災現場跡なのか……。

　この口撃をどう避そうかと、考えを巡らせているメディカに、追い討ちを掛けるように

「ブラも行きたーい！！　今日はまだ早いからいいでしょ、ママ！」

　隣に座るブラからも口撃が始まった。