「ごちそうさまでした。すごく美味しかったです！」

　メディカは満面の笑みを浮かべ、手を合わせた。

　その顔を見たブルマも満足そうに微笑み

「フフ。ウチのコックの腕、なかなかのもんでしょ！」

　得意げに口角を上げて言うと

「今のコックはママが気に入って、あの西の都ホテルから引き抜いて来たのよ。だから、何でも本当に美味しいの！」

　ブラも得意気にそう言うと、コップの水を口に流し込んだ。

「へぇー……さすがだねぇ……」

　メディカはそのドラマの様な話しに唖然とした。本当にそんなことが出来るとは……。やはりお金持ちは違う……。

　メディカはここにきて、やっとこの家の真のセレブぶりを感じたのだった。

　ガタっと席を立ち、テーブルを離れようとするべジータに

「またトレーニング？」

　と、ブルマが尋ねると

「あぁ」

　そう一瞥し、べジータは部屋から出ようと歩き出した。

　するとメディカは慌てて

「あの……。すみません、一緒にご馳走になってしまって……！」

　立ち上がり頭を下げた。

「別にかまわん」

　振り返りメディカを見据える様に言うと、べジータはそのまま部屋を出て行った。

　その後ろ姿を見送りながら、あれだけの食事量を摂りながらケロッとしているべジータに、メディカは医者としてある意味興味を持つのだった。

（すごい……。本当にどんな胃の構造をしてるんだろう？　消化スピードが速いのかな……）

　ボーっと考えていると、ブルマに呼ばれメディカは視線をブルマへと移した。