和やかに始まった夕食だったが、しばらく経つと普通の家庭の食卓では見られないことが起こり始めた。

　最初に並べられていた料理が無くなると、キッチンから次から次へと、また別の料理が並べられては凄い勢いで消えていく。
その様子にメディカは目を丸くしていると

「ごめんなさいねぇ、メディカ先生。ちゃんと食べれてる？」

　メディカにそう尋ねたあと、ブルマは眉間に皺を寄せると

「ちょっと、べジータ！　今日はブラと先生の為の料理なのよ！　アンタは少し遠慮しなさいよ！！」

　と、隣のべジータを睨みつけた。

　しかし、そんなブルマの声を無視してべジータはそのままの勢いで食べ続けている。

「あの、大丈夫です……。しっかり、頂いてますから」

　メディカが複雑な笑みを浮かべながら答えると

「ホント、パパたちよく食べるわよねー」

　その様子に慣れているのだろう。そう言うブラは淡々と料理を口へと運んでいる。

「まったく！　サイヤ人の胃袋って、どうなってるのかしら……！」

　ブルマは腕を組み、怒りを通り越したのか呆れ果てている。

（サイヤジン……？）

　ふと聞き慣れない単語にメディカは反応したが、この雰囲気でこの疑問を尋ねるのは何となく憚られ、この時その単語を追求することはしなかった。