「あ、あの、すみません！　こんな時間にお邪魔してしまって！　あの、すぐ帰りますので！」

　１人あたふたしていると

「何言ってるの。先生と食事がしたくて電話したのよ！」

　ブルマは、パチリとウィンクしてみせた。

「さ、先生。早く座って！」

　ブラは椅子を引いて、メディカが座るのを待っている。

「えっ……！？　いや、でも……！」

「ブラの退院祝いよ！　昨日出来なかったでしょー。今日は先生に来てもらえたし、よかったわ！　一緒にお祝してやって！」

　その言葉にメディカは慌てて

「そんな、申し訳ないです！　すぐに、お暇しますので……！」

　必死で断ろうとしたが、ニコニコ顔の母娘、そして斜め向かいに座るべジータに睨まれ、メディカは心の中で溜息を吐くと、大人しく席に着いたのだった。

「それじゃ、いただきましょ！」

　ブルマのご機嫌な声で『退院祝い』は始まった。
テーブルにはサラダやオードブル、お寿司にピザ、魚料理から肉料理までが所狭しと並べられている。

（うわぁ……）

　メディカがテーブルの料理たちに感嘆していると

「ほら、先生。遠慮しないで食べてちょうだい！　先生と食べたくて、ウチのコックにたくさん作ってもらったんだから！」

　ブルマは上機嫌といった様子で、ニコニコしている。

　隣のブラは皿に一通り料理を載せると、メディカに「はい。」と手渡した。

「あ、ありがとう、ブラちゃん」

　皿を受け取るとメディカは観念した様に手を合わせ「いただきます」と言うしかなかった。

「さぁ、食べて食べて！」

　ブルマはニッコリ笑うと、自身も料理を口に運び始めた。