ゲストルームは想像していた以上に広い部屋だった。
　
　ベッドやテーブル等の家具はもちろん、冷蔵庫やテレビなどの家電製品、バスルームにトイレも完備されている。

（うわー……）

　あまりに充実した部屋に感嘆していると、隣に立つブルマから

「好きな様に使ってもらっていいから」

　と、声を掛けられた。

「ありがとうございます。こんな素敵なお部屋……」

　迷惑ばかりかけている自分を嫌がることなく、むしろ、進んで助けてくれているブルマにただただ恐縮してしまう。

「いいのよ。じゃあ、明日早いんだし、ゆっくり休んでね。おやすみなさい！」

　手を振り、ブルマは元来た方へと戻って行った。


　メディカはベッドに座り、ぐるっと部屋を見渡してみた。一家族でも十分に生活できそうな広さだが、ベッドはシングルサイズなので、１人用のゲストルームのようだ。

　程よくスプリングが利いたベッド、他の家具類なども高級な物が揃えられている。

「さすが、カプセルコーポレーション……」

　メディカは呟くと、そのままベッドに寝転がった。

　見慣れない白い天井を見つめ、炎と煙に捲かれたであろうあの部屋はどうなっているのだろうと思った。

　特に大切な物を置いていたわけではないが、住み始めて３ヵ月。気に入ってもいたし、愛着が湧いてきたところだった。

「あの部屋、まだ住めるのかな……？」

　ブルマの言う通り、全焼したわけではない。
　
　もしかしたらまだ住めるかもしれない。

　ふわふわとした柔らかいベッドに沈んでいるうちに、段々意識が遠のいていきメディカはそのまま深い眠りに落ちていった。