エアカーのカプセルを投げると、ブルマはメディカを乗せカプセルコーポへ引き返すことにした。

　隣のメディカは呆然とした様子で、俯いたままだ。

「とりあえず、ウチに戻るわね」

　気遣うように声を掛けるが返事は返ってこなかった。

　大通りは交通規制が緩んだのか、車は一応流れてはいる。しかし、警察官の姿はチラチラ見ることが出来、火事の現場付近に車が入らないようにそちらを規制しているようだ。

「あの……ブルマさん。……病院に行ってもらえませんか？」

　震えるようなメディカの声に

「えっ、病院？」

　ブルマは問い返した。

「病院に仮眠室がありますから……。今日はそこで休みます」

　力なく答えるメディカを、横目でチラリと見ると

「ダメよ、仮眠室なんかじゃ。ゆっくり眠れないでしょ。今日はウチでゆっくり寝たほうがいいわ」

「でも……！」

「遠慮しないで。ウチはとっても広いんだから！」

　メディカの声を遮りブルマは譲らなかった。

　それ以上、抗う力も沸いてこないようでメディカは黙ってしまった。

　ブルマは、ふぅと心で溜息を吐くと、そのままカプセルコーポへと、エアカーを走らせた。