「あ、もうこんな時間！」

　慌てて席を立とうとするメディカに

「あら、まだいいじゃない」

　ブルマはこともなげ言ったが

「いえ、時間も時間ですし……。長居してしまって、すみません」

　メディカは鞄を手に取り、立ち上がった。

「そう……。じゃあ、また改めて来てちょうだい！次はもっとゆっくり話しましょ」

「はい。ありがとうございます」

（社交辞令だよね……。）

　と思い返事をしつつも、さっきの強引さが脳裏を掠め、また次がある様な気がした。

「先生、絶対また来てね！！」

（……絶対、次がある気がする……）

「うん。またお邪魔するね」

　ブラに視線を合わせる様に屈んで答えながら、メディカは思っていた。

「先生。遅くなっちゃったし、家まで送るわ！」

　ブルマは、リビングに置かれたサイドボードからカプセルを取り出した。

「いえっ、それは……！　１人で帰れますから……！」

　それはさすがに申し訳ないと思い、必死に断ろうとするも

「ダメよ！　夜道の１人歩きは危険よ。先生に何かあったら大変だもの！」

「そうよ、先生。ママに送ってもらって！」

　ブラの援護もあり、断る隙が見つけられなくなったメディカは、仕方なくブルマの厚意に甘えることにした。


　
　３人が玄関ホールまで来ると、トランクスがエアカーをカプセルに戻しているところだった。

「おかえり、トランクスー」

「お兄ちゃん、おかえりなさい！」

「ただいま」

　トランクスはブラに視線を向けると

「ブラもおかえり。今日、退院の日だったのに早く帰れなくてゴメンな……」

　申し訳ないといったふうに、苦笑いを浮かべた。

「大丈夫、期待してなかったから」

　ブラはいつものことだといった感じで、ニコリと笑い返すのだった。