カルテ1

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 朝のナースステーションは、まだ穏やかな雰囲気だった。
看護師たちは、それぞれカルテを見たりデスクワークをしている。
メディカは短く深呼吸をしてから、

「おはようございます」

 と、ナースステーションのカウンター越しに挨拶をした。
10名程の看護師が一斉に顔をあげ、にこやかな笑顔と共に
「おはようございます」と、返してくれる。

「今日から小児科の担当になりますメディカです。よろしくお願いします」

 メディカは頭を下げた。

「ホスピ先生から聞いてますよ。こちらこそ、よろしくお願いしますね。メディカ先生!」

 ステーションの奥の方から、ぽっちゃりとした朗らかな雰囲気の中年女性がカウンターの方へやって来た。ナースキャップには、婦長の印の紺色のラインが入っている。

「あの、回診まで少し時間があるので、患者さんのカルテをチェックさせてもらっていいですか?」

 メディカは婦長にお願いすると

「ええ、どうぞ」

 と、メディカをステーション内にあるデスクまで案内してくれた。

 メディカは案内された、デスクに座るとノート型のパソコンを開き、電子カルテのチェックを始めた。事前に聞いていた、指導医が担当する患者20名のカルテを開いていく。

 カルテのチェックを一通り終えたタイミングで

メディカ先生、昨晩305号室の患者さんなんですけど・・・」

 と、看護師から話かけられ、昨晩の小児科病棟の様子を聞くことが出来た。病棟内の事をよく知る看護師からの情報は、どんな些細な事でも知っておいた方がいい。研修医として現場で働きだし、メディカは「情報を持っている」ということの重要性を強く感じているのだった。

 しばらくすると

「おはよう」

 のんびりとした明るい声と共に、小児科医のホスピが現れた。

 ホスピはこの地球の国王と同じ、犬の姿をした動物型で、白いふわふわとした毛並みの初老の医師である。まさに小児科医といった優しい雰囲気の医師で、実際子供たちからも人気があり、親たちからの評判もいい。

 その声に気付き、メディカはパソコンを閉じると席を立ちホスピの元へ向かった。

「おはようございます、ホスピ先生。今日からよろしくお願いします」

 メディカは頭を下げた。

「おはよう、メディカ君。今日からよろしく」

ホスピはいつも通りの、穏やかな笑顔だ。

「カルテのチェックをしていたようだね」

 ホスピはメディカが座っていたデスクの方に目を遣り

「じゃあ、とりあえず回診を始めようか」

 と、病棟の方へと歩き出した。

「はい!」

 返事をしてメディカは後に続いた。

 こうしてメディカの小児科医としての一日目が始まった。
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