「あのー・・・。」

後ろからした控え目な声に振り返ると

「すみません・・・。」

と、複雑な笑みを浮かべたメディカの顔があった。

トランクスは立ち止ると、掴んでいた手を慌てて離し

「いえ・・・！あの、大丈夫ですか？」

自分がした咄嗟の行動に焦りながら尋ねると

「はい・・・大丈夫です・・・。」

メディカは困った様な笑顔で答えるのだった。

「すみません！武天老師様のことを忘れていました・・・。」

悟天とヤムチャばかり気にしていて、亀仙人にまで注意が及んでいなかった自分の詰めの甘さに項垂れた。

「いえ、元気なお爺さんには慣れてますから・・・。」

一方メディカは、医学生時代の実習中に、今のようにお尻を触られたことが何度かあったことを思い出し、懐かしく思っていた。

「武天老師様にも困ったな・・・。」

顔を顰め、さっきまで居た縁台を見つめるトランクスに

「元気なのはいいことなんですけどね・・・。」

メディカもは困った様な笑顔を今まで居た縁台の方へと向けるのだった。

少しの沈黙に、やっと２人きりになれたことに気付き、トランクスは胸が高鳴っていくのを感じていると

「トランクス！」

と、それを見事に破る悟天の声が聞こえ、トランクスは親友の登場にガクリと肩を落とすのだった。

「メディカちゃん、大丈夫？」

「あ、はい。大丈夫です・・・。」

馴れ馴れしくメディカの名を呼ぶ悟天と、それに笑顔で答えるメディカに、トランクスの心は引き攣った。