「あーあ。せっかくの祭りなのになぁ・・・。」

焼きとうもろこしを頬張りながら、つまらなそうに言う悟天に

「何だよ。」

親友の言いたいことに大体の察しはつくが、トランクスは敢えて尋ねた。

「女の子が居たらなーって、思うだろ？」

「居るじゃないか。」

トランクスは女性陣が座る縁台へと視線を向けた。

「いや、違うよ。ほら、もっと年頃のさ・・・。」

「マーロンちゃんがいるだろ。」

「マーロンちゃんはクリリンさんの娘だしさ・・・。それに、昔から知ってるから妹みたいなもんだし・・・。」

「不満なら、１人で街に行けばいいだろ。」

「じゃあさ、トランクスも行こうよ！」

「俺はいいよ。」

「えー、何でだよ！付き合い悪いよ、トランクスぅ。トランクスがいると、カワイイ子と仲良くなりやすいだよ。」

「俺をダシに使うな。」

悟天は拗ねた顔を、涼しい顔でイカ焼きに食いつく親友へと向けるのだった。

トランクスはイカ焼きにパクつきながら、目の前の風景を見つめていた。

酔いが回った亀仙人は、まだ飲もうとする缶ビールを持つ手をウーロンと餃子に押さえられ、少し離れた縁台ではピッコロとデンデ、そして悟飯とビーデルが屋台料理を囲んでいる。

その隣の縁台には、かき氷を食べるサタンと、いつもの如くサイヤ人に負けない食欲を発揮しているブウの姿があった。

仲間たちが賑わう姿を見つめた後、トランクスは隣りに座る悟天を横目に見ながら、この親友がこのまま本当に１人で街へと繰り出してはくれないかと密かに願うのであった。