茜空がすっかり星空へと変わり提灯に灯が燈り始めると、ますます夏祭りの雰囲気は色濃くなり、電線の様に並んだ提灯の下、祭りは盛り上がりのピークを迎えていた。

「もっと焼きそば持って来てくれー！！あと、たこ焼きも頼むー！！」

食べ終わった汚れたトレイを、縁台や足元に転がし、手にはフランクフルトを持った悟空が大声で叫んだ。

「おい、カカロット！貴様もう少しキレイに食えんのか！！」

悟空の隣の縁台では、べジータがたこ焼きを手に叫んでいる。

「キレイって・・・。べジータ、オメェもあんまり変わんねぇじゃねぇか。」

自分と同じ様に、食べ散らかしているべジータを見ると

「う、うるさい！それより、俺も焼きそばだ！！あと、イカ焼きもくれ！！」

競う様に声を上げ注文するべジータに

「あっ、べジータ！焼きそばはオラのが先だからな！！」

と、毎度繰り広げられる食事風景に

「やっと来たかと思ったらこれなんだから。」

「全くだべ。ホントに、どうしようもねぇ旦那様たちだ。」

ブルマとチチは、２人揃って呆れた顔を屋台メニューに食らいつく夫たちへと向けるのだった。

そんな中、早くから飲んでいたヤムチャはすっかり出来上がってしまっており、嗜む程度に飲んでいた天津飯と主人を心配するプーアルが介抱していた。

ブラ、パン、マーロンの３人は金魚すくいの大きなタライの前に座り込み、金魚すくいに夢中になっている。

それぞれが祭りを楽しんでいるそんな中、トランクスの隣りから盛大な溜息が漏れた。