賑やかな事が大好きなブルマは、何かあれば自宅に仲間を招いてはパーティを催していた。

今回はブラの退院祝いをするということで、忙しいながらも自ら内容を企画し、仲間たちに連絡を取っていたらしい。

「さて、準備は整ったわね！」

セッティングされた縁台を縫う様に歩きながら、広大な庭に並んだ屋台、その上を通る提灯の列を見上げると、ブルマは満足そうに頷いた。

今回は季節が夏ということで「夏祭り」というテーマらしく、数多くの屋台が庭に並んでいる。

食べ物だけでなく射的や金魚すくいにヨーヨー釣り、輪投げなどのゲーム屋台も用意されていた。

トランクスとブラは、２階のテラスからそんな庭の様子を眺めていた。

「母さん、こういうの好きだよな。」

少し呆れた様に言うトランクスに

「いいでしょ！夏祭りはブラが提案したのよ。お祭りって混んでるから、屋台を全部回れないのよねー。だから、今日はめいっぱい満喫するの！！」

隣りで満足そうに笑みを浮かべるブラを見ると、トランクスは小さく笑い

「なるほどね。確かにこれなら、みんな楽しんでくれそうだよ。」

浮かれている自分の隣で、右手で頬杖をつき、屋台を眺めていた兄が小さく溜息を吐くのに気付いたブラは

「悟天さんも来てくれるわよ。そうだ、悟天さんにもお姉ちゃんのこと紹介しないとねー。」

ブラは目を細め意地悪く言うと、トランクスはギクッとした顔を妹へと向けた。

「フフフっ。悟天さんにお姉ちゃん取られないように気を付けてね、お兄ちゃん！」

ブラは小悪魔の様に口角を上げ笑うと、楽しそうに家の中へと入っていくのだった。