「何言ってるの、ブラ。メディカちゃんはこれから新しい家を探すのよ！」

その台詞に

「えーっ！？イヤよ！お姉ちゃん、新しいお家なんて探さなくていいんだから！・・・そうよね、おにーいちゃん！」

と、後半わざとらしい口ぶりでこちらを見るブラにギクリとした顔を向けると

「そりゃ、私だってずっと居てもらって全然構わないのよ。でも、メディカちゃんが良いと思う家が見つかったら、いつでも引っ越せるようにしておかなきゃ。やっぱりここからじゃ、病院まで遠いでしょ。」

「そうですね・・・。」

と言った後、困った様な弱い笑顔をブラに向け

「ブラちゃん、ありがとう。でも、いつまでもお世話になるわけにはいかないから・・・。・・・ただ、部屋が見つかるまではこちらでお世話になります。よろしくお願いします。」

と、メディカは改めて頭を下げるのだった。

そんなメディカを、トランクスは複雑な気持ちで見つめていた。

彼女はいつかここを出て行く。それは分かっているのだが、彼女に対して恋愛感情を抱いてしまった今、それを素直には喜べなかった。

それはブラも同じようで、不満気な顔でメディカを見つめている。

きっと自分も同じ様な顔をしているのだろう。

トランクスはその表情を悟られない様に、読んでいた新聞でそっと顔を隠すのだった。

そんな我が子たちの様子を察しつつ

「そうだわ。食事まだでしょ？用意するから座ってて！」

と、ブルマは明るい声を出すとキッチンへと入って行くのだった。