家の中に入り、少し歩くとメディカは「ふぅ。」と小さく息を吐いた。

１日不動産屋巡りをしたが結局物件は見つからずじまいで、暑さと物件探しを焦る気持ちが相俟って、疲労感がのしかかって来たのだった。

「大丈夫ですか？」

トランクスに尋ねられ、メディカは眉をへの字に曲げると

「はい、大丈夫です・・・。」

と、弱い笑顔を向けた。

「そうですか・・・。今日も暑かったですしね。」

トランクスは詮索したくて仕方ない、溢れそうな気持ちをグッと堪えた。

彼女は休日に何処で何をしていたのか・・・。少しでも知りたいが、根掘り葉掘り聞ける性分ではない。

それに、詮索することで不都合なことを知ってしまってはダメージが大きい・・・。

そんなことを考えていると

「トランクスさんは工場の視察に行かれてたんですよね？お疲れ様でした。」

と、労いの言葉を掛けられた。

「いえ・・・。いつも社内に籠っているので、今日はいい気分転換になりましたよ。会いたい人にも会えましたし。」

「会いたい人・・・？そうなんですか。良かったですね！」

自分のことの様に嬉しそうな笑顔を向けるメディカにつられ

「ええ。工場長なんですけど、技術者として尊敬してる人なんです。ウチにはなくてはならない存在で、信頼できる人なんですよ。」

にこやかに答えると

「その方のこと、とても尊敬されてるんですね。」

そう言って、にこりと笑顔を向けるメディカにトランクスは頬を染めると、慌てて顔を逸らすのだった。