「でも、メディカちゃんカワイイから、狙ってる##RUBY#男#ヒト##多いんじゃない？」

「それはないですよ。」

　更に苦笑いし、否定するメディカに

「あの病院の先生、結構イイ男多いじゃない？」

　ブルマのその一言に、べジータがピクリと反応したのをトランクスは見逃さなかった。

　父も嫉妬などするのか、と意外な父の反応に少し驚きながらも、トランクス自身も先程からの会話を心穏やかに聞いてはいられなかった。

「尊敬する先生はたくさんいますけど……そういう対象には……」

　そう答えるメディカに

「あら、そうなの？　まぁ、でも、そのうちイイ男が現れるわよ。ボーイフレンドが出来たら、紹介してよね！」

「ブラにも紹介してね！　楽しみにしてるから」

　ニコニコと向けられる、母娘の笑顔に戸惑いながらも

「アハハ……」

　と、曖昧な笑顔を作り、メディカは果たしてそれはいつになることだろうと思った。

　研修医というハードな毎日の中で、自分の事だけで精一杯だ。そういう相手が出来たとしても、相手を思い遣れる余裕など自分にはないだろう。

　女性誌の見出しに躍る「仕事も恋も両方楽しむ」なんて、そんな器用なことが出来る人間じゃない。

　２４歳――。２０代で、最も魅力的だと言われるこの歳に、恋も仕事も全力で取り組めたらどれ程人生楽しいだろうか。

　メディカは、どちらも掴み取り輝いているブルマを羨ましく思うのだった。