ブラの言葉に動揺しながらリビングに入ると、べジータとメディカの２人は静かに食事をとっていた。

「父さん、ただいま」

　その声に、べジータは顔を上げると

「あぁ」

　とだけ返事をし、再び料理へと視線を戻した。

　トランクスが席に座るなり、隣りのメディカが眉を寄せ

「すみません、トランクスさん……！」

　と見つめてきた。その視線に

「い、いや！　メディカさんのせいじゃないですよ。俺が悪いんです」

　トランクスは自分を落ち着かせる様に、ゆっくりと答えた。

　しかし、そう言われてもメディカの方はただ申し訳ない気持ちで一杯だった。

　今日一日、トランクスの休日を潰してしまった挙句、最後に余計な事をしてしまった。

　浮かない顔のメディカに

「気にしないで下さい。何か壊れたわけじゃありませんし。それより、料理が冷めますよ。熱いうちに食べましょう」

　と、トランクスが安心させるように微笑むと、メディカの気持ちは少し晴れた様で

「はい……」

　と、弱い笑みを作ると食事を再開させるのだった。

　そんなメディカの様子に安心し、自分も食事をしようと顔を正面に戻した時だった。

　べジータが自分をじっと見つめていることに気付き、思わず固まってしまう。

　その視線はすぐにトランクスから料理へと戻されたのだが、トランクスは父のその見透かした様な視線に落ち着かなくなってしまった。

　先程のブラの発言といい、せっかくの休日も最後まで心身共に休まらないトランクスであった。