一方メディカは、湯船に浸かりながら今日一日を振り返っていた。

いつもなら大半は仕事の反省になるのだが、今日は違っていた。

普段とは違うことがたくさんあり過ぎて、１つ１つ思い出しては頬が緩んだ。

久しぶりのショッピング、トランクスとの会話、１人ではない夕食。

その中で１番メディカが印象的だったのは、エアカーでのトランクスの様子だった。

今まで見てきたトランクスは、クールで澄んだ青い瞳は知的で凛々しく、丁寧で優しい口調はとても紳士的で非の打ちどころがない人物だった。

しかし、エアカーの中でブルマから聞いた話しをした途端、コロコロと表情を変え、明らかに動揺しているその姿は可笑しくてしかたなかった。

トランクスが、家族や一部の人間にしか見せないだろう姿を垣間見れたことに、メディカは頬を緩ませるのだった。

そして、そんなトランクスにメディカは親しみを感じ始めていた。

今までのトランクスは、パーフェクト過ぎて正直近寄り難かった。
しかも、カプセルコーポレーションの社長だ。

これまで、人を肩書や見た目で判断するような事はなかったが、トランクスに関して言えば全てが揃い過ぎていて「違う世界の人」と思わざる得なかった。

しかし、今日一日で彼のイメージは大きく変わった。

（トランクスさんと、もう少し話したかったな・・・。）

メディカはそう思うと、フフっと笑い、ぶくぶくと湯の中に顔を沈ませるのだった。