カルテ1
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「え、入院!?」
トランクスはつい、大きな声を出してしまった。
携帯電話が鳴ったのは、デスクに積まれた書類に目を通している時だった。
ディスプレイを見ると、母であるブルマからだ。
ブラの事があったので、午前中の会議に顔を出さなかった事は仕方ないと思っていたが、昼を過ぎても何の連絡もなく「何かあったのか?」と思っていた矢先だった。
まさか、入院とは。
ブルマはブラの病状や入院に関することを簡単に説明すると「準備があるから」と電話を切った。
トランクスは椅子にもたれて、息を吐くと
「入院かー。―見舞い、行ってやらないとな」
そう呟くと、デスクに置かれたカレンダーを眺めた。
病院では入院手続きを終えたブラが小児科の病室に案内され、ベッドに寝かされていた。ブルマが希望したらしく病室は個室となっている。
入院準備のためブルマは一度家に帰り、入れ替わりで来たべジータが付き添いをしていた。
べジータはベッドの側に椅子を置き、足を組んで座るとブラの顔を見つめた。朝見た時よりは少しマシな顔をしている。
「パパ……ごめんなさい……」
と、力のない声がした。
いつもは強気な娘から、こんな弱々しい声が出るのかと、べジータは内心驚きつつ
「謝ることはない。そんなことより、早く治すことだけ考えろ」
いつも通りぶっきらぼうに返した。
「うん……」
ブラは薄く笑い目を閉じた。
しばらくして、大きなボストンバッグを抱えたブルマが病室に入ってきた。
「ありがとう、べジータ! ブラの様子はどう?!」
一気に病室が騒がしくなり、べジータは顔をしかめた。
「うるさい奴だ……!」
「いいじゃない、個室なんだし。ここなら、誰にも気を使うことないでしょ! それに、少しくらい賑やかなほうが、ブラだって寂しくないじゃない」
一歩間違えれば命に関わる病気なのだが、ブラに関してはその可能性はほぼ無い、と医師に言われ、不安要素が取り除かれたブルマは、いつも通りの調子を取り戻していた。
ブルマがボストンバッグを開け、中に入っている持ち物を確認し、取り出していると
「家に帰りたい……」
ポツリとブラが呟いた。
ブルマとべジータは同時に横たわるブラを見た。
大人びていて、子供らしさに欠けている娘だが、さすがに入院となると心細いらしい。
「ダメよ。ちゃんと治して、元気にならないと。ママは毎日来るから! 寂しくなんかないわよ」
ブルマはべジータの横に並び、ブラの頭を撫でた。
ブラの顔は曇ったままだった。帰れないことなど、本人が一番よく分かっている。ブラは何も言わず、窓の外を見た。
周りに遮る物は何もなく、ただ青い空が見える。ブラは、開放感に満ちた夏の真っ青な空を憎らしく思った。
コンコン。と軽いノックの音がしたのは、そんな時だった。
トランクスはつい、大きな声を出してしまった。
携帯電話が鳴ったのは、デスクに積まれた書類に目を通している時だった。
ディスプレイを見ると、母であるブルマからだ。
ブラの事があったので、午前中の会議に顔を出さなかった事は仕方ないと思っていたが、昼を過ぎても何の連絡もなく「何かあったのか?」と思っていた矢先だった。
まさか、入院とは。
ブルマはブラの病状や入院に関することを簡単に説明すると「準備があるから」と電話を切った。
トランクスは椅子にもたれて、息を吐くと
「入院かー。―見舞い、行ってやらないとな」
そう呟くと、デスクに置かれたカレンダーを眺めた。
病院では入院手続きを終えたブラが小児科の病室に案内され、ベッドに寝かされていた。ブルマが希望したらしく病室は個室となっている。
入院準備のためブルマは一度家に帰り、入れ替わりで来たべジータが付き添いをしていた。
べジータはベッドの側に椅子を置き、足を組んで座るとブラの顔を見つめた。朝見た時よりは少しマシな顔をしている。
「パパ……ごめんなさい……」
と、力のない声がした。
いつもは強気な娘から、こんな弱々しい声が出るのかと、べジータは内心驚きつつ
「謝ることはない。そんなことより、早く治すことだけ考えろ」
いつも通りぶっきらぼうに返した。
「うん……」
ブラは薄く笑い目を閉じた。
しばらくして、大きなボストンバッグを抱えたブルマが病室に入ってきた。
「ありがとう、べジータ! ブラの様子はどう?!」
一気に病室が騒がしくなり、べジータは顔をしかめた。
「うるさい奴だ……!」
「いいじゃない、個室なんだし。ここなら、誰にも気を使うことないでしょ! それに、少しくらい賑やかなほうが、ブラだって寂しくないじゃない」
一歩間違えれば命に関わる病気なのだが、ブラに関してはその可能性はほぼ無い、と医師に言われ、不安要素が取り除かれたブルマは、いつも通りの調子を取り戻していた。
ブルマがボストンバッグを開け、中に入っている持ち物を確認し、取り出していると
「家に帰りたい……」
ポツリとブラが呟いた。
ブルマとべジータは同時に横たわるブラを見た。
大人びていて、子供らしさに欠けている娘だが、さすがに入院となると心細いらしい。
「ダメよ。ちゃんと治して、元気にならないと。ママは毎日来るから! 寂しくなんかないわよ」
ブルマはべジータの横に並び、ブラの頭を撫でた。
ブラの顔は曇ったままだった。帰れないことなど、本人が一番よく分かっている。ブラは何も言わず、窓の外を見た。
周りに遮る物は何もなく、ただ青い空が見える。ブラは、開放感に満ちた夏の真っ青な空を憎らしく思った。
コンコン。と軽いノックの音がしたのは、そんな時だった。