俺が保護して三日後。

　真琴という少女は目を覚ました。

　悟空さんと共に、レストランへ現れた少女。

　その姿に、母さんたちは一様に安心した顔を浮かべたが、その中でも一番安堵の表情を浮かべていたのは、やはり梨子さんだった。

　初めて会った時の、あの輝くような笑顔からは程遠い、陰を落とした表情をしていた梨子さん。

　だが、真琴さんが目覚めたことで、表情には明るさが戻り、陰は跡形もなく消えてしまった。

　これで、あの時と同じ笑顔がまた見れそうだな。

　そう思と、俺の胸の中に、妙に甘い感情が滲み広がった。

　いままで感じたことのないこの感情に、俺は戸惑いながら、親友の目覚めを喜ぶ少女の姿を見つめていた。