現在結婚し、警察官としても働いてるクリリンさんの言葉には説得力があった。

「そういうものなんですね」

　感心が混じった言葉を発している俺の頭の中に、梨子さんの姿が浮かんだ。

　もし、彼女と想い合うような関係になる日が来れば、俺もそういう気持ちで仕事と向き合っているのだろうか？

　ぼんやり、そんなことを考えていると

「そのタイムパトロールの中に、女の子はいないのか？」

　グラスの半分あたりまで減っていたビールを飲み干し、ヤムチャさんが尋ねてきた。

「女性パトローラーですか？　ええ、いますよ」

「じゃあ、その中にいい子はいないのかよ？」

　目元を緩めるヤムチャさんに

「い、いや。仲間をそういうふうに見たことがないので……」

　魅力的な女性パトロ―ラーはいるだろう。

　だが、あくまで仕事仲間であって、そういう対象として見たことはない。

　現に、俺のいまのパートナーは女性だが、彼女をそういう目で見たことは一度もなかった。

　そして、そういう考え方をする俺が鈍く思えるのだろう

「おいおい。そんなこと言ってたら、いつまで経っても彼女なんて出来やしないぜ」

　呆れたとばかりに、ヤムチャさんは肩を竦ませた。

「ハハ……。そうですね」

　もう、この話しは勘弁して欲しい。

　そう思いながら、愛想笑いを浮かべていると

「彼女はいないけど、好きな相手はいるんじゃないのかい？」

　黙っていた１８号が、急に意味深な笑みを俺に向けた。

　思いもよらぬ人物からの、思いもよらぬ発言に、思わずギクリとする俺に