昼から開催されたパーティもすっかり日が暮れ、空には白い月が輝いている。
　
　アルコールを呷る大人が多いこともあり、会場である庭ではそこかしこから賑わいの声があがり、宴の終わりはまだ見えそうにない。

　そんな盛り上がりを見せる庭の片隅で

「で、トランクスはどうなんだよ？」

　クリリンさんが突然話しをふってきた。

　質問の意味が分かりかね

「どう。というのは……？」

　質問を返すと

「何だよ、とぼけるなよ。ほら、彼女だよ、彼女。いるんだろ？」

　ニヤニヤした顔をしながら、俺の脇腹辺りを肘でつついてきた。

「か、彼女ですか？　いや、その……そういう人はまだ……」

　思わぬことを聞かれ、動揺する俺に

「おいおい、マジかよ。おまえなら、彼女ぐらいすぐ出来るだろ？」

　クリリンさんは眉を寄せ、不審そうな顔をした。

　すると、続いてヤムチャさんも

「そうだぜ。おまえの世界も平和になったんだろ？　彼女でもつくって楽しまなきゃな」

　そう勧めてきた。

　そんな二人に

「い、いえ。タイムパトロールの仕事があるので、まだ彼女とかは……」
　
　考えられない。

　そういうニュアンスを漂わせると

「あー、そうだったな。地球の平和を守ったかと思えば、今度はタイムパトロール。おまえもなかなか落ち着かないな」

　クリリンさんが同情するように、小さく溜息を吐いた。

「ええ、まぁ。でも、タイムパトロールの仕事はやり甲斐がありますから」

「やり甲斐か。ま、それも大事だけどさ。でも、彼女が出来ると、より一層仕事に身が入ったりするもんだぜ」