「ブラちゃんてホントに可愛いよねー！」

「ブルマさんに似てるもんね。将来絶対美人になるわ」

「それ間違いないよね！　絶対美人になるし、超モテるだろうね」

「うん、間違いない」

　たまたまリビングの前を通りかかると、そんな会話が聞こえてきて思わず足を止めた。

　会話をしているのは、別の地球から来たらしい娘たちだ。

　会話を聞いて、ブルマに似たブラが美人になるのは当然だと思ったが「モテる」という言葉が引っ掛かった。

　ブラがモテるだと？

　フッ、まぁそうなるのは当然だろうな。

　だが、俺の娘に気安く近付くヤローどもはただでは済まさんがな……！

　そんなことを思いながら、リビングの前で静かに拳を握り締めていると

「でも、ブラちゃんブルマさんに似てよかったよね。ベジータさんに似てたらあんなに可愛くなかったんじゃない？」

　黒い髪の方の娘の声が聞こえてきて、ピクリと眉間に皺が寄った。

　何だと……？

　握り締めていた拳に力が入ったが、確かに、ブラの容姿に俺の要素は何一つ無い。

　だが、それでも血を分けた娘に変わりはなく

　フン。ブラの容姿に俺の要素が何一つなくても構わん。

　そう思っていると

「あー……確かにブラちゃんはベジータさんに見た目は似てないけど……でも、もしベジータさんに似てても美人だったんじゃない？　だって、ベジータさんカッコイイもん」

　そんな言葉が聞こえてきて、握り締めていた拳からふと力が抜けた。

　カ、カッコイイだと……？！

　ブルマからしか聞いたことのない言葉に動揺してると

「まぁ、顔は整ってるよね」