「スゴーイ！　固ーい！」

「ホント……こんなにいい筋肉持ってる人なかなかいないですよ」

「そっか？　普通に鍛えてりゃコレくらいなんだろ？」

「いやいや……普通に鍛えてもこんな筋肉付かないですって」

　リビングでテレビを見てる俺の後ろで、そんなやり取りが聞こえてきた。

「そっか？　筋肉っちゅうんならベジータだってこんなもんだよな？」

　悟空さんがパパに話しをふると

「質は俺の方が上だ」

　パパは相変わらずの負けず嫌いを発揮した。

　そんなパパの発言に「質ね……」と、確かに個人差はあるだろうな。なんて思ってると、悟空さんの腕を触ってただろう梨子が

「あ、あのーベジータさん。ベジータさんの腕も触っていいですか？」

　って言い出して、ビックリした。

　おいおい！　パパにそんなお願いよく出来るなっ……！　パパは悟空さんみたいに、気安くそんなことを「お願い」出来るタイプじゃないぞ。

　きっと、梨子の「お願い」に眉間に皺を寄せてるだろうパパを想像してヒヤヒヤしてると

「かまわん」

　パパは予想外にもそう言って、腕を触る許可を梨子に出した。

　嘘だろっ……！？

　まさかのパパの返事に絶句してると

「ありがとうございます！」

　梨子の嬉しそうな声が、後ろから聞こえてきた。

「あ！　悟空さんの腕と違う！　ベジータさんの方が締まってるような感じがする！！」

　梨子の感想が聞こえると

「へぇ。私も触らせてもらっていいですか？」

　真琴も、パパの腕に興味を持った。